日本人がマスクを外せない理由
4年目を迎えるコロナ、そして、マスク生活。。
ようやく、2類から5類へ移行という話が出てきたり、
卒業式ではマスクを外していい、と言われるようになったり。。
「3月13日からマスクの着用は個人の判断」って、もともと任意のはずなんですけど?
でも、町中を見回してもまだまだマスクだらけですね。
・犬の散歩中でもマスク
・自分しかいない車内でもマスク
・自転車の乗ってるときもマスク
・畑作業中にマスク
・ランニング中にマスク
何から守っているんでしょう?
日本人はどうしてこんなにもマスクに縛られているんでしょうか?
「どうして日本人はマスクを外せないのか」について、
今日はちょっと変わった視点から書いてみようと思います。
もともと日本人は曖昧なコミュニケーションを好む傾向があって、
はっきりとした「掟」を作らなくても、なんとなく「空気」を読んで集団の秩序を守ってきた経緯があります。
明確な「掟」がない分、「空気」が強い力を持つ社会とも言えると思います。
これにはいい面もあり、例えば大災害が起こっても略奪なども起こさず規律を守りお互いを助け合う姿は、世界でも称賛されるほどです。
(宗教的な戒律が厳しい国ほど略奪などが起こりやすい、とも言われています。)
また、「空気」が強い力を持つからこそ、コロナ禍においても「お願い」レベルで大半の人たちはきちんと自粛して、息苦しいはずのマスクの着用もすんなりと受け入れてきたのだと思います。
ただ、この「空気」には責任の所存がありません。
ただなんとなく周りの「空気」を読んでマスクを着けていますが、
ではいつ外せばいいのかというと、
明確な「掟」なしで始まったものなのでみんなわからない。。
みんなが「空気」を読みあっているような状況でしょうか。。
だから、「政府にきちっと言ってもらわないと外せない」ってことになってしまうのです。
決して義務でも強制でもなく、1人1人の自由意志で始めたはずなのに、終わりどころがわからない。。
また、「年配者を思いやる心」だったり、
「人に迷惑をかけてはいけない」「自分さえ我慢すれば」などの日本人独特の美徳さもマスクを外せない要因の1つです。
さらに状況を難しくしている要因の1つとして、
かつての「村社会」が挙げられると思います。
ただ、この空気を読んで規律を守る美しさの裏側に、「村八分への恐れ」が根深く居座っていて、それが状況を複雑にしていると思います。
日本の歴史をざっと振り返ってみると、
かつて小さな村単位で生活している時期がありました。
田畑で、同じような時期に同じような作物を育てていました。
収量が、多すぎても少なすぎても、なんとなく気まずかったのかもしれません。
また、ゆるいながらも村の「掟」があり、それに逆らうと「村八分」に遭い、
そこで暮らすことができなくなりました。
当時のそういった状況はまさに生存、命に関わることで、皆と違った言動をとることに対して本能的に強い「恐れ」を抱いていたと思います。
そして、この「恐れ」の情報は、私たちのDNAを通して、世代間に受け継がれるということが最近のトラウマの研究で分かってきました。
そのような点から、常に周りと足並みを合わせて、突飛な言動を避けてきたという長い歴史があることが「出る杭は打たれる」ということわざからも見て取れます。
優秀な研究者が海外へ行くことも関係があるかもしれません。
また、戦時中にも今のマスク社会と同じような状況が見られました。
「天皇陛下、万歳!」
「欲しがりません、勝つまでは」
「進め一億火の玉だ」
などのプロパガンダが生まれて、政治、メディア、学校までもが国民を戦争に搔き立てました。
そんな中、「兵隊に行きたくない」「竹やり訓練に参加したくない」など、言えなかったわけです。
それがバレるとたちまち「非国民」呼ばわりされて憲兵にひっぱたかれるわけでしょ。。
本心を引っこめますよね。
周囲の目を気にして、本心を言えなかったのです。「恐怖」や「恐れ」に抑え込まれていたのです。
歴史は繰り返すというか、DNAに受け継がれた「村八分」への「恐れ」は、思いのほか私たちの深いところに刻み込まれているのだと思います。
・人と違うことをしたくない
・感染予防効果はないってわかってるけどそんなこと言えない
・外してマスク警察に遭うのが怖い
・みんなが外したら自分も外す
・国が、あるいはテレビで外していいよって言ってもらえたら外す
ま、ほんとに感染が怖くてマスクされている方もいらっしゃるとは思いますが。。
このように、
村八分への恐怖が根底にあって、
そこに
空気を読んで足並みをそろえる国民性、
自分さえ我慢すればという日本人の美徳さ、
などが複雑に絡まり合っての今の状況です。
なかなか難しいとは思いますが、この構造を理解すると、少しは外しやすくなるのではないでしょうか?
未来を担う子友だちのためにも、まずは大人がしっかりしなくては。
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