Stillness と Dynamic Stillness
クラニオセイクラルセラピー・バイオダイナミクスの概念。
クラニオセイクラルセラピー・バイオダイナミクスにおける「stillness」と「dynamis stillness」は、この療法の根幹をなす重要な概念であり、深く関連しながらも異なる側面を指します。
Stillness(スティルネス)
クラニオセイクラル・バイオダイナミクスにおける「Stillness」は、単なる動きの停止や静寂を意味するのではなく、生命の根源的な静けさ、創造性、そして無限の可能性を秘めた状態を指します。
具体的には、以下のような側面があります。
一次呼吸(Primary Respiration)の根源: 私たちの身体には、脳脊髄液の循環や組織の微細な動きとして現れる「一次呼吸」と呼ばれる生命のリズムが存在します。Stillnessは、この一次呼吸のさらに深い源、つまり生命全体を組織し、形作っている根源的な力(ポーテンシー)が最も深く表現されている状態と考えられます。
変容と治癒の場: Stillnessの状態では、自律神経のバランスが整い、深いリラクゼーションが起こります。これにより、身体の緊張が和らぎ、自己調整力や治癒力が最大限に引き出されると考えられています。この深い静けさの中で、身体は自ら問題を解決し、健康を取り戻すプロセスに入ります。
意識の変容: Stillnessは、単に身体的な状態だけでなく、精神的な理解の深まりや意識の変容ももたらすことがあります。クライアントがこのStillnessを体験することで、深い安らぎや平和を感じ、自身の内なる健康や資源にアクセスできるようになります。
施術者の存在: 施術者は、自らがニュートラルな状態でStillnessに入り、クライアントのStillnessをサポートします。施術者が介入するのではなく、クライアントのシステムが自ら動いていくための場を提供することが重要視されます。
Dynamis Stillness(ダイナミス・スティルネス)
「Dynamis Stillness」は、Stillnessに「Dynamis(ダイナミス)」、つまり動きや力動性の要素が加わった概念です。一見矛盾するように聞こえますが、これは「静けさの中にある活発な生命力」を表現しています。
静けさの中の動き: Dynamis Stillnessは、Stillnessの深い静けさの中に、生命を動かすダイナミックな力が常に存在していることを示します。これは、あたかも静止した水面下で、生命の活発な流れや創造的なプロセスが脈々と続いているような状態です。
潜在的な生命力: Dynamis Stillnessは、単に一時的な静止ではなく、身体の中に宿る潜在的な生命力や治癒の方向性が現れている状態と言えます。この状態では、身体のシステムが自ら最適な状態へと向かうための「blueprint(設計図)」のようなものが活性化すると考えられます。
治療的な意味合い: セラピーにおいては、このDynamis Stillnessを感知し、それに寄り添うことで、クライアントの自己治癒力が最大限に引き出されます。施術者は、この静けさの中の微細な動きや変化を聴き取り、クライアントのシステムが自らバランスを取り戻すプロセスをサポートします。
StillnessとDynamis Stillnessの比較
特徴 Stillness Dynamis Stillness
本質 生命の根源的な静けさ、源、無限の可能性 静けさの中に存在する生命の力動性、潜在的な動き
状態 深い安らぎ、変容、自己治癒力の活性化 静けさの中での活発な生命プロセス、治癒の方向性
認識の側面 静止、広がり、平和 静止の中の微細な動き、生命の流れ
治療における焦点 クライアントが深い静けさにアクセスするのをサポート 静けさの中の生命の力動性に寄り添い、治癒を促す
簡単に言えば、Stillnessは「静」の極みであり、その静けさの中にこそ「動」の源があるという考え方がDynamis Stillnessです。クラニオセイクラル・バイオダイナミクスでは、この両方の側面を理解し、クライアントのシステムが自ら健康へと向かうプロセスを繊細にサポートしていくことが重視されます。
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