トラウマの世代間連鎖
トラウマってね、今世で自分に起こった出来事だけが原因とは限らないってご存じでしたか?
世代間連鎖と言って、何世代も前のご先祖様が受けたトラウマ的な影響が、今を生きている私たちの心身にももたらされているということがあります。
ラット(気の毒なネズミ)による実験結果のいくつかをご紹介します。
・オスのラットに出産直後に母親と引き離す、母親にストレスをかけるなどのトラウマ的な体験をさせると、ストレスのかかっていないメスと交配させて生まれた子どもでもの4世代先まで、行動と代謝に影響が出た( van Steenwyk, 2018)
・オスのラットに特定のにおいと恐怖体験を条件付け、条件付けされていないメスと交配すると、2世代先までの子孫の行動と神経構造に影響が認められた(G.Dias, 2013)
・オスのラットに匂いの条件付けを行うと、嗅覚に特徴が現れ、子孫はさくらの香りで驚愕反応を起こす。人工授精でも同様の結果(Mattic, 2019)
・ラットで、子どもをよく舐める母親の子どもは自分の子どもをよく舐める。よく舐めない母親から生まれた子どもも、よく舐める母親に育てさせると子どもをよく舐めるようになる(Francis, et.atl., 1999)
さまざまな研究が実施されている
これらを見ていて思うのは、
1.先祖から受け継いだ負の連鎖は自分の代で止めたいということ。
2.自分が受けたトラウマの傷は自分の代で癒しておきたいということ。
3.トラウマ的な遺伝があったとしても、生後の環境で癒えてくるのだから、悲観的にならずに前向きに取り組みたいということ。
先祖からのものって、「なんで私が?」とか「そんなもん知らんわい」って思ってしまいがちですが、気づいた人から取り組んでいかれるといいですよね。世界のエネルギーがもっと軽やかに自由になると思います。大半の人が、そんなことに気づきもせずに自分の子や孫の代にまで受け継がせていると思うので。。
「よく舐めない母親から生まれた子どもも、よく舐める母親に育てさせると子どもをよく舐めるようになる」という結果にも勇気づけられますね。新しい関係性を気づくことで自分を変えていくことができるということです。
学校や職場、趣味の場での出会いやセラピストとの関係性の中で、生みの親からは得られなかったかもしれないいろいろを得ることができ、それを与えることができるということです。
尊いですね。
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